東京都医師会の尾﨑治夫会長が２７日、オンライン会見を開き、新型コロナ禍での東京五輪について無観客開催を求めた。２８日に正式決定される緊急事態宣言延長には数値目標が必要とし、大会開催には都内の新規感染者数を一日１００人以下に抑え、海外からの大会関係者の来日人数を減らすべきだと強調。「抑えられなければ開催は難しい状態になる」と断じた。

〝安心安全〟の実現は困難－。東京都の医師会トップが東京大会開催に不安感をあらわにした。

「有事の中での五輪は、無観客で開催するのが最低限。今の感染状況が続けば、（医師会として）協力するのは難しい状況と考えている」

尾﨑氏は医療体制の逼迫を踏まえ、開催する場合は無観客にすることを求めた。緊急事態宣言が６月２０日まで延長することが２８日に正式決定される方向だが、開催には都の新規感染者数を一日１００人以下に抑えることを〝条件〟として提案。「そこまで落とさないと７、８月にリバウンドが来る。ある意味、最後のチャンス。人の流れや接触を抑えれば、１００人以下も夢ではない」との考えを示した。

都の新規感染者数の直近７日間平均は５８５人で前週の７０４人から減少。それでも依然として高い水準で、条件としては厳しいといえる。

尾﨑氏は、海外からの関係者の来日にも「スリムな形に」と主張。大会組織委員会は、来日する関係者を延期前の計約１８万人から９万人以下に半減する見通しを示している。選手には外部との接触を絶つ「バブル方式」が採用されるが、関係者の対策は限界があるとして「国内外にいろいろなウイルスが広がる可能性も皆無ではない」と警鐘を鳴らした。

期間中に代々木公園（東京・渋谷区）で一日３万５０００人を動員する想定で行うパブリックビューイング（ＰＶ）にも懸念を表明。「人が集まるきっかけを作るのはやめてほしい。熱中症の時期でもあり、涼しい部屋でテレビ観戦をすればステイホームになる」と、ＰＶ中止を強く訴えた。

5/28(金) 5:00 サンケイスポーツ
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