アーバンライフメトロ 5/30
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■2022年春に大規模リニューアルを予定
お正月の風物詩でもある箱根駅伝で優勝候補に挙がることの多い東海大学(渋谷区富ヶ谷)。同大はスポーツ強豪校として知られている一方、19学部75学科を擁する学部数日本一の大学でもあります。また、大学群の通称「大東亜帝国」のひとつに入る有名大学です。2022年度には6学部新設などを含め、「23学部62学科・専攻」と大規模リニューアルを予定しています。学部新設とそれに伴う改組改編のため、イチから学部を立ち上げるわけではありませんが、既存の学部学科の見直しを行い、受験生のニーズをつかむ狙いがうかがえます。

19学部から23学部へと4学部増の結果、文系学部が強化されます。そのため、体育学部を除くと全体的に理系と文系学部のバランスがとれ、総合学部としてパワーアップ。幅広い分野の志願者を集めることが期待されます。

前述の通り、東海大学は大学スポーツの強豪校として知られており、寮生活や団体行動などが避けられません。そのため、新型コロナウイルスの感染対策がより一層求められます。その一環として、2021年4月から、学生だけでなく教職員に「コロナ検定」を実施し、感染予防の知識を増やす取り組みも行われています。

しかし、変異型の拡大もあり感染リスクは依然高いまま。そのようなこともあり希望する学生に対し、唾液PCR検査を実施することを5月22日(土)に発表しています。内閣府や東京都、神奈川県による大規模モニタリング調査ということもあり、検査は無償で行われます。

首都圏の大規模大学ではすでに早稲田大学(新宿区戸塚町)で実施されていますが、それに次ぐ形となっています。

■学生数は2万7404人
2021年度の学部と配置されているキャンパスは一は、次の通りになっています。
●湘南キャンパス(神奈川県平塚市)
・文学部
・文化社会学部
・政治経済学部
・法学部
・教養学部
・体育学部
・健康学部
・理学部
・情報理工学部
・工学部
・観光学部(1年次)
●伊勢原キャンパス(同県伊勢原市)
・医学部
●代々木キャンパス(渋谷区富ケ谷)
・観光学部(2年次から4年次)
●高輪キャンパス(港区高輪)
・情報通信学部
●清水キャンパス(静岡県静岡市)
・海洋学部
●熊本キャンパス(熊本市)
・経営学部
・基盤工学部
・農学部
●札幌キャンパス(札幌市)
・国際文化学部
・生物学部

神奈川県と東京都を中心に全国のキャンパスに合計19学部があります。2020年5月1日時点の学生数は2万7404人です。私立大学では非常に珍しい海洋学専門の学部があり、他の大学にはない分野が学べます。

2022年度はキャンパスも東京キャンパス(高輪校舎・渋谷校舎)、湘南キャンパス(湘南校舎・伊勢原校舎)、静岡キャンパス(清水校舎)、熊本キャンパスと札幌キャンパスとキャンパスの編成も含んだ大がかりな改組改編を行う予定です。

■東京の大学か、神奈川の大学か
首都圏の大学では都市回帰の動きがみられますが、東海大学では熊本や札幌のキャンパスを持ち、清水キャンパスは海洋学部のみと地域に根付いた学校運営を行っています。専門分野に合わせ、キャンパス縮小や集約しない姿勢は目を見張るものがあります。

その一方で、本部となっているのは渋谷区の代々木キャンパスですが、多くの学部が集中しているのは神奈川県平塚市にある湘南キャンパスです。また、来年度から23学部体制となりますが、そのうち5学部では1年次と2年次は湘南キャンパスで学ぶ方針を打ち出しています。

多くの学生が在籍し、規模の大きい湘南キャンパスがあるため「東海大学 = 神奈川の大学」というイメージが強くなるのは否めません。

実際、2021年度学力選抜の志願者の出身校別人数をみてみると、神奈川県の学校出身者が1万2091人に対し東京都出身者は8007人です。志願者の総数が4万227人のため、3割が神奈川県の学校出身者なのです。

こうしたデータをみると分かる通り、東海大学は「東京の大学」ではあるものの、神奈川の高校生の受験校として非常に人気が高い大学となっています。
(一部略)