0001ごまカンパチ ★
2021/06/02(水) 22:50:50.78ID:6eyPgKea9■1861年インドネシアM8.5地震の引き金か、サンゴの「年輪」で判明
1861年2月、インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード8.5の巨大地震が発生、大地が激しく揺れ、水の壁が海岸に押し寄せ、何千人もの犠牲者が出た。
しかし、この悲劇は単独で起きたのではなかったようだ。
巨大地震に至るまで32年間にわたり、ゆっくりとした“地震”が地中で静かに起こり続けていたことが最新の研究で判明、5月3日付けで
学術誌「Nature Geoscience」に発表された。
「スロースリップ(ゆっくり地震)」と呼ばれるこの現象は、数日から数カ月、ときに数年に及ぶことが知られている。
だが今回報告された32年間という期間は、これまでに知られていた最長記録を大きく上回っている。
「これほど長く続くスロースリップがあるとは思いもしませんでしたが、事実、あったのです」。
シンガポールの南洋理工大学が設置しているシンガポール地球観測所の測地学者で、論文の著者の一人であるエマ・ヒル氏はそう語る。
今回の発見は、地球の活動の多様さだけでなく、スロースリップが大地震の引き金になりうるのかどうかについて知るきっかけにもなるだろう。
スロースリップでは、通常の地震と同じように、プレートの移動によって蓄積されたエネルギーが放出される。
しかし、地面を揺らして爆発的に放出するのではなく、ゆっくりと時間をかけてひずみを放出するため、スロースリップ自体が危険なわけではない。
ただ、スロースリップが隣接エリアに負荷をかけることで、付近でより大きな地震が発生するリスクが高まることになる。
現在のインドネシアでも、そうした懸念が持ち上がっている地域がある。
スマトラ島南方沖にあるエンガノ島について「沈み込みが少し早すぎる」と、今回の論文の著者である南洋理工大学のリシャブ・マリック氏は話す。
1カ所で得られたデータでしかない点には注意が必要だが、スロースリップがすでに島の近くで進行している可能性があるという。
「19世紀に起きたことは、決して例外的な事例ではありません。私たちは今まさに、同じような現象を目の当たりにしています」とマリック氏は述べる。
■サンゴに残された手掛かり
今回の研究では、意外なものを利用して地殻変動の痕跡を解読した。サンゴだ。
ハマサンゴ属(Porites)をはじめいくつかのサンゴの仲間は、ぎりぎり水面下に達するまで成長する。水面が上がると、サンゴはまた急速に上に向かって伸びる。
水位が下がると、空気に触れている部分は死んでしまうが、水に浸かっている部分はやはり、どんどん広がっていく。
これらのサンゴは、まるで木に年輪ができるように、層状に重なって大きくなっていくため、その外骨格を調べれば水位の相対的な変化が読み取れる。
「サンゴは天然の潮位計のようなものです」とヒル氏は言う。
水位の変化には、氷河の融解といった気候変動に起因するものと、地形の変化に起因するものがある。
スマトラ島の西海岸では、地下のプレート間の衝突によって後者が起きている。
この地域では、オーストラリアプレートがスンダプレートの下に沈み込んでいる。
プレート同士がぶつかると、下降するプレートがその上にある土地を引っ張り、地表がたわむ。
このひずみが大きくなって地震が発生すると、沿岸部が一気に上昇することがある。
2005年にスマトラ島沖で発生したマグニチュード8.7の地震では、そうしたことが起こった。
「地震でサンゴ礁が上昇し、生態系は丸ごとその場に取り残された」。
今回の論文の共著者であるアロン・メルツナー氏は2005年、フィールド調査での経験をそうブログに記した。
エダサンゴ、ウニ、貝、カニなどが、ほぼ乾燥した地表で死んだり死にかけたりしていたという。
※続きはソースで