新型コロナウイルスのインド型(デルタ型など)の変異ウイルスが、インドからだけでなく英国や米国を経由して日本国内に流入した可能性が高いとする解析結果を、慶応大のチームがまとめた。チームの小崎健次郎・同大教授(臨床遺伝学)は「流行地とみられる国以外からの水際対策も重要だ」と話している。

 インド型は感染力が強いとされ、現在60か国以上で確認されている。厚生労働省によると、国内では5月31日までに感染者53人(空港検疫を除く)が見つかっている。

 チームは、ウイルスの遺伝情報を登録した国際的なデータベースを使い、国内の感染者18人から検出されたインド型の遺伝情報を、海外のインド型と比べた。その結果、インドから国内に入ったとみられるウイルスが5種類見つかったほか、英国経由とみられるウイルスが3種類、米国経由のウイルスも1種類認められた。

 東京農工大の水谷哲也教授(ウイルス学)の話「変異ウイルスは検疫をすり抜けて国内に侵入することが考えられる。今回のような解析は、検疫をどのように強化すべきかの手がかりになる」

讀賣新聞 2021/06/07 23:57
https://jp.reuters.com/article/usa-europe-idJPXXN2NP069