ワクチン接種が進む中で求められる感染対策について、専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は
「国内のワクチン接種の勢いは非常に加速していて、オリンピックが開催される予定の来月下旬までに多くの高齢者に接種できるかもしれないが、
64歳以下への接種は限定的だろう。

感染を広げるのは、20代から50代の活動的な年代で、変異株の影響を考えると40代から60代の重症者数が増加するおそれがある」と話しています。

これについて京都大学の西浦博教授も緊急事態宣言が今月20日までで解除された場合、
来月末までに高齢者へのワクチンの接種が完了したとしても感染対策がとられずに感染の再拡大が起きた場合には、
東京都では再び医療がひっ迫する可能性があるとするシミュレーションの結果を示しています。

和田教授は、このシミュレーション結果をふまえたうえで「オリンピック、パラリンピックが始まる段階では、
ワクチンによって地域での流行が抑えられる状況にはなっていないと考えられ、開催期間中も人の流れを抑えるようなしっかりとした感染対策が求められる。

ワクチン接種が広がり、都市部での感染者数が減少すると、多くの人が楽観的な見通しを持つようになるかもしれないが、
これまでも2週間から1か月ほどの短い期間での人の流れの拡大が大きな感染の波につながったことを忘れずに感染対策を続けてほしい」と呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210610/1000065568.html