朝日新聞社2021年6月13日 8時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP6C4W3PP64UTIL01G.html

小学校受験が過熱している。コロナ下でも安心できる教育環境を求めてか、首都圏にある60校の昨年の応募者数は、前年比で1割近く増えた。対面での説明会はいつ再開すべきか、集団の中での振る舞いを見る「行動観察」はどう行うのがいいか――。学校側は様々な模索をしている。(川口敦子)

■安心求め「参戦」 著名校に応募集中
幼児教室「わかぎり21」(東京都豊島区)が首都圏の私立小など60校を対象にした調査によると、2021年入学の応募者数は計3万3879人だった。近年、増加傾向だったが、前年比での増加数は直近5年間で最大だったという。

同教室代表の新中義一さんは「これまで小学校受験を考えていなかった層が、新たに『参戦』した。休校中のオンライン授業など、コロナ禍への対応で後手を取った公立小に不安を覚え、著名な学校に応募が集中したのでは」とみる。受験者数を男女別にみると、女子の方が伸び幅が大きかったという。

応募者数が最も増えたのは東洋英和女学院小学部(港区)だ。20年入学の入試では301人だったのに対し、21年入学は592人と2倍近くまで増えた。教頭は「今回は試験日が例年の11月1日から2日に変わった影響があるだろうが、コロナ下で来校がかなわないなか、学校の特色や授業、児童の生活について、オンラインで細かく伝えたのが奏功したのでは」と話す。感染防止のため2交代制とした上で、食堂で一斉給食を行っていることなどを動画配信で紹介した。

ほかにも、慶応義塾幼稚舎(渋谷区)や立教小(豊島区)などの有名私立小と国立小で、増加が目立った。
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