東京オリンピックのイギリス選手団が、日本に到着後6日間隔離される可能性に直面している。日本の厳格な新型コロナウイルス対策のためだが、選手団は適用除外を働きかけており、実現できると楽観視している。

イギリス選手団は日本に到着後、隔離期間は指定のホテルから外に出ることを禁じられる可能性がある。そのため、選手の体調管理や準備への影響が懸念されている。

イギリスでは新型ウイルスのデルタ株(インドで最初に確認された変異株)の感染が拡大している。これを受けて日本政府は、今月7日から、すべてのイギリスからの入国者に宿泊施設での6日間の待機を義務付けた。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、選手の隔離について例外は認めないとしているが、イギリス選手団はこの問題を解決するための方法を探っている。

国際オリンピック委員会(IOC)が15日に新たに発表した厳しいガイドラインは、隔離措置に違反すれば、大会への参加資格の剥奪や強制送還される可能性があるとしている。

ただ、この規定は7月1日に見直しが予定されている。

「IOCや組織委と前向きな対話」
イギリスオリンピック委員会(BOA)の広報担当は、「IOCと東京大会の組織委員会とは前向きな対話を続けている。組織委員会の会長には文書を送ってある」と述べた。

「代表団は出国前と到着時に追加検査やワクチン接種などの対策を取る。日本の人々のリスクを最小限にするため、私たちはあらゆる努力をしている」

BOAは、特定の条件を満たすことで、選手や関係者を隔離の対象外にすることを、日本側に認めさせることができると考えている。その条件は、選手や関係者全員が2回のワクチン接種を完了し、追加検査を受けることなどだとしている。

BOAのヒュー・ロバートソン委員長は先週、東京大会組織委員会の橋本聖子会長に文書を送付。イギリス選手団が受けている検査が、東京大会の「プレーブック」の水準を上回るものだと説明した。

一方、組織委員会は、「入国者に対する水際対策措置は日本政府が責任をもつ」とし、「現時点では、レッドリストの(危険度の高い)国からの入国者には厳格な6日間の隔離措置が取られる」と述べた。

組織委はまた、「安全・安心な大会」にするため、日本政府と「密接に協力」するとした。

選手の86%が接種
イギリス選手団は、300人超の選手のうち最大86%が1回以上のワクチン接種を済ませたとしている。

イギリス政府は、18歳以上の全国民が今週末までに、接種の機会を提供される予定だとしている。

イギリス選手団には、ワクチン接種の対象年齢外の選手も少なくない。例えば、体操のジェシカ・ガディロヴァ、ジェニファー・ガディロヴァの双子選手はともに16歳だ。

隔離措置の対象となったスポーツ選手は、体調管理に苦労している。

今年1月のテニスの全豪オープンでは、選手とコーチらがメルボルンのホテルで2週間、隔離生活を送った。選手たちはホテルの部屋で壁や窓に向けてボールを打つなどして、感覚の維持に努めた。

BBC 2021年6月16日
https://www.bbc.com/japanese/57493175