難病だった次女の遺体を室内放置、母親に猶予判決「長年看護に腐心」
2021/06/20 09:57
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210618-OYT1T50317/

 兵庫県西宮市高須町の集合住宅で3月、難病だった次女(当時36歳)の遺体を室内に放置したとして母親の無職大田幸子被告(68)が逮捕、起訴される事件があり、死体遺棄罪に問われた大田被告の判決が18日、地裁尼崎支部であった。佐川真也裁判官は「身をささげて看護しており、犯行は許されないが酌むべき事情がある」として懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。

 判決によると、大田被告は3月初め、同居していた次女が亡くなったのを知りながら、同月22日までの間、自宅に遺体を放置した。

 公判で弁護側は、大田被告が全身の筋肉が 萎縮いしゅく する難病「筋ジストロフィー」患者だった夫、長女、三女をみとり、その後、同じ難病の次女を一人で看護してきた、と主張。心身ともに疲弊していたことが事件の背景にあるとしていた。佐川裁判官は判決で、「長年にわたって看護に腐心しており、社会で更生の機会を与えることが相当だ」と述べた。