さいたま市大宮区のインターネットカフェで利用客が女性従業員を人質にして立てこもった事件で、逮捕監禁致傷容疑で送検された住所不定、無職、林一貴(かずたか)容疑者(40)の逮捕時の所持金が数百円だったことが21日、埼玉県警への取材で判明した。

 容疑者は立てこもった店舗に事件前日の16日にも宿泊していたほか、東京都内の系列店に立ち寄った形跡があり、他のネットカフェの会員証も所持していた。県警は21日、特別捜査班を設置。容疑者がネットカフェを転々としながら生活していた可能性があるとみて、詳しい足取りや動機を調べる。

 捜査関係者によると、林容疑者は立てこもり中、県警の交渉担当者からインターホン越しに要望事項を聞かれた際に「ないよ」などと返答していた。逮捕後は容疑を認め、取り調べには応じているものの、事件の動機や目的については「言いたくない」と話しているという。【成澤隼人、平本絢子】
https://mainichi.jp/articles/20210621/k00/00m/040/145000c