愛知県知事へのリコール(解職請求)運動をめぐり事務局長らが逮捕された署名偽造事件は、選挙で選ばれた首長や議会による間接民主制度とともに地方自治の根幹をなす直接民主制に対する信頼を大きく揺るがした。県選挙管理委員会は、今回浮き彫りとなった制度の「穴」を精査して総務省に提案書を提出、ルール改正を訴えた。そもそも、現行制度は性善説≠ノ基づき設計されており、今回の事件のような組織的な不正は想定外。民意の捏造(ねつぞう)につながる不正を防ぐ仕組みの構築は喫緊の課題だ。

 リコール運動は、一昨年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」企画展で、昭和天皇の肖像を燃やす映像作品などが展示されたことについて、河村たかし・名古屋市長らが、実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事への批判を強めたことをきっかけに始まった。美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が代表の政治団体がリコール運動を主導し、昨年8月からの約2カ月間で約43万5千人分の署名を集めた。

 解職の賛否を問う住民投票実施に必要な法定数(約86万7千人分)には届かなかったが、不正を指摘する声が関係者から上がり、県選管が地方自治法に基づき特例≠ナ署名簿の中身を精査。今年2月、同一人物が記した疑いのある署名や、選挙権のない人の署名など8割超が無効だったと発表した。

 愛知県警は5月、地方自治法違反(署名偽造)の疑いで、事務局長として不正を主導したとされる田中孝博容疑者(60)ら4人を逮捕。全容解明に向けた捜査が続いている。

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https://www.sankei.com/article/20210624-R7FCAI6PSNJHBI5GHJCZCEV4NY/
2021年6月24日 11時09分