Web東奥6/26(土) 9:13

 20年にわたり地域の映画文化を支えてきた青森市三好1丁目のシネマコンプレックス(複合映画館)「青森コロナシネマワールド」が8月29日で営業を終えることが明らかになった25日、映画ファンや関係者からは「閉館は驚き」「県都からシネコンがなくなるのは寂しい」など、長年親しんだ映画館がなくなることを惜しむ声が上がった。

 「びっくりした」。この日、映画館に2歳の娘とアンパンマンの映画を見に訪れた青森市の蝦名都さん(32)は閉館の報道に驚きの声を上げた。映画館の引き継ぎ先が検討されていることについては、「子連れで来ることができる複合施設になってほしい」と願った。

 県興行生活衛生同業組合に加盟する県内の映画館は8施設、44のスクリーンがある。このうち青森市には3施設あり、青森コロナシネマワールドが8、青森松竹アムゼが3、シネマディクトが2と計13スクリーンがある。同館の閉館で一度に8スクリーンを失う影響を懸念する声も聞かれる。

 「閉館は衝撃だった」と話す「あおもり映画祭」主宰の川嶋大史さん(つがる市)は「複合型映画館はなくなったときの影響が大きい。青森市に残る5スクリーンでは県都でありながら、公開されても見ることができない作品が出てくるのでは」と指摘する。

 年に50〜60本の作品を映画館で見るという青森市の三上芳彦さん(67)は「わざわざガソリン代をかけて弘前や八戸までは見に行かない。映画館は絶対に続いてくれなければ困る」と切実に語った。

 一方、青森市の青森松竹アムゼとつがる市のシネマヴィレッジ8・イオン柏を運営する「シネマセンター」の野村央社長は「県都からシネコンがなくなるのは寂しい。一時的には市外へ客が流れるが、後継のテナントが来れば客は戻ってくると思う」と見通した。

 同映画館を含む複合型アミューズメント施設「青森コロナワールド」を経営するコロナワールド(本社・愛知県小牧市)は同日、同社のホームページなどで施設の閉館を正式に発表した。このうちパチンコ店、カラオケ店、ゲームセンターは7月25日に営業を終える。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a2448610bdbf714009fa12b5d58d18624bb69aa9