新型コロナウイルスの「後遺症」は海外でも多数確認されている。
英国の大学は患者の3人に2人以上が症状の長期化に悩まされているとの研究結果を発表。

ワクチン接種で症状が改善したとの報告もあり、感染予防にとどまらない副次的効果も注目される。

英統計局によると、2月上旬から3月上旬までの4週間で、
新型コロナ感染から4週間たった後も症状が続いていると申告した人は推計で110万人近くに上った。

イタリアの研究グループが昨年発表した研究結果によると、退院した患者のうち53.1%が倦怠(けんたい)感、
43.4%が呼吸困難、27.3%が関節痛、21.7%が胸痛を訴えた。

英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどによると、退院した患者の38%の肺に異常が見られ、
9%は退院時より症状が悪化していたという。

感染から半年以上たっても症状が続くケースもある。ドイツのケルン大が5月に発表した研究によると、
発症から平均6.8カ月たっても14.7%が嗅覚障害、14.2%が倦怠感、13.6%が息切れ、11%が味覚障害を訴えた。

一方、英エクセター大などの研究チームはワクチンを接種することで後遺症が改善に向かう傾向があると発表した。

後遺症がある800人以上に1度目のワクチンを接種した結果、56.7%の人に倦怠感や息切れ、筋肉痛などで改善があった。
症状が悪化した人も18.7%いた。

メッセンジャーRNA(mRNA)という遺伝物質を利用した米ファイザー製と
米モデルナ製のワクチンに、タイプの異なる英アストラゼネカ製よりも改善効果が見られた。
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/210629/ecb2106290555003-n1.htm