2021/07/05 16:48
著者:波留久泉

量子科学技術研究開発機構(量研)は7月2日、やる気が脳内伝達物資ドーパミンにより調節される2つの仕組みを明らかにしたと発表した。
同成果は、量研 量子生命・医学部門量子医科学研究所脳機能イメージング研究部の堀由紀子研究員、同・南本敬史グループリーダーらの研究チームによるもの。詳細は、生物科学を扱う学術誌「PLOS Biology」にオンライン掲載された。
やる気(行動に対する意欲、モチベーション)は、日常生活のちょっとした動作から、業務や勉学、スポーツなど、すべての活動を支える源だが、しかし、すべての行動に対して常に高くできるかというと、簡単にはいかない。
このやる気の上がったり下がったりは、脳内伝達物質の1つである「ドーパミン」を生み出すドーパミン神経細胞が、予測される報酬とコストから計算されるその個人にとっての行動の価値を伝えることによるものと考えられている。
また脳のドーパミンに関する仕組みとして、その受容体にはD1とD2の2種類の型があることがわかっている。やる気が上がるにはどちらの受容体も作用することが必要だ。これまで複数の動物実験により、それぞれに作用する薬剤でドーパミン伝達を阻害すると、やる気が下がってしまうことが明らかとなっている。
一方、報酬やコストの大小にしたがって意欲を調節する上で、2種類の受容体を介したドーパミン伝達がどのように機能しているのかについては、詳しくわかっていないという。そこで研究チームは今回、その謎の解明に向けた実験を実施したという。
脳内のドーパミンD1、D2受容体は、意欲制御に関わる「線条体」と呼ばれる領域の神経細胞に豊富に存在しているが、それをPET撮像で可視化。阻害剤の投与量とともに阻害率が上昇する関係が確認されたという。
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.mynavi.jp/article/20210705-1915909/