新型コロナウイルスに感染した人の体には、変異株に対しても抗体ができ、その抗体が時間とともに質を高め、
数か月間、持続することが国立感染症研究所などの研究でわかりました。

国立感染症研究所などの研究グループは重症度が異なる新型コロナウイルスの回復者188人から、血液を定期的に提供してもらい、
感染を防ぐ「中和抗体」の量と質を発症から10か月にわたり解析しました。

これらの人は、全員、国内で変異株が検出される前に発症しているため、従来株に感染したと考えられるということです。

研究では、これらの人の血液中の「抗体」について、従来株のみに対応する「抗体」と変異株にも対応する「抗体」の量をそれぞれ調べました。

その結果、回復者の重症度にかかわらず、血液中には、変異株に対応する「抗体」ができ、
その「抗体」が減る速度は緩やかで、持続性が優れていたということです。

この「抗体」の変異株へのくっつきやすさなど質も、時間の経過とともに高まっていたということです。

研究チームは、この結果から、人間は、新型コロナウイルスのある株に感染した後、
体内に、その株だけでなく、変異株にも適応力がある質の高い「抗体」ができ、その比率や質を時間とともに高めることが可能であるとわかったとしています。

研究グループは、今回明らかになった、変異株にも対応する質の高い「抗体」を、今後、ワクチンで体内に作るよう目指したり、
治療薬として利用したりといった活用ができるとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4794a3e3dd6b7b15f4eeaf8e5fac264ea9e54610