トイレと言えば,僕にも青春の1ページを彩った想い出がある。
あんな感動と連帯感は,社会人となった今では二度と体験できないだろう。
その事件は中学校の修学旅行で起こった。 第1日目の夜をバカ話で,ほとんど徹夜で過ごした朝,トイレに行くと何やら騒がしい。
話を聞けば,隣のクラスの松尾君は芸術的な一本グソをしたという。
残念ながら僕が来た時には,すでに流されていたが,次の日のウンチは流さないと約束してくれた。
そして次の日の朝。 スキップでもしたい気持ちを抑えながらトイレに行くと,便器のまわりには人だかりができていた。
案の定,そこには松尾君の一本グソがあった。
人々は和式便所に威風堂々と横たわる一本グソを賞賛していると,とある人物が「俺もチャレンジする」と言い,
流されていない松尾君のウンチがある便器に排便を始めた。
まずまずの品だったが,相手が悪すぎた。 松尾君には足元にも及ばない。 その後も次々とチャレンジが行なわれたが,
結局,誰ひとりとして松尾君を打ち負かすことはできなかった。
男というものは単純だ。 これら一連の勝負を通じ,連帯感・・・・いや,友情が芽生えた。
その友情の証として,素晴らしき一本グソと, 残念ながら今回は敗者となったウンチたちを流さずにおいていった。
その後,朝礼で男子生徒だけが集められ, 体育教師に「お前等,必ずウンコは1回づつ流せ!」と

30分に渡りこっぴどく怒られることとなる。



俺達は思った・・・・・・「クソったれ!」