ALLabout7/11(日) 21:50
https://news.yahoo.co.jp/articles/2b5d230d9d1d8827fd196d68be12a04a6449fab1

毎年様々なメディアから発表される「高校別医学部合格者ランキング」。結果を見てみると、中高一貫校の圧倒的な強さがわかります。大学受験予備校でこれまでに約1000人の生徒の進路指導を担当、私立文系から国立理系、医学部、難関国立など、多岐にわたる志望の生徒を担当してきた清水まちこさんに話を聞かせてもらいました。

◆「医学部合格者ランキング」は誰のため? 受験生は何を見ているのか?
毎年いろいろなメディアで発表されている「高校別医学部合格者ランキング」は、医学部医学科合格者数を高校別に集計してランキングにしたものです。国公立合格者数、私立大合格者数、現役占有率(現役合格者数/卒業生数)など、さまざまな集計方法があります。

医学部合格者ランキングは市販の医学部情報誌にも掲載されており、受験生が目にする機会自体も多いと思います。でも、実際に進路指導の場で話題に出されたことはありません。それよりも、同じ冊子に書いてある、大学ごとの科目配点や出題傾向、先輩の体験談などの方が読まれています。

ランキングは中学受験や高校受験を検討しているご家庭が、学校選びのための参考資料にしていたり、高校の先生方が指導実績の結果として確認したりするのに使われたりすることが多いようです。

どの医学部合格者数ランキングを見ても、ランクインしている学校の8割近くが、中高一貫校です。でも、なぜ中高一貫校が医学部合格に圧倒的な実績を出しているのかを知っている人は、予備校の現場から見てもあまり多くないように感じました。

そこで今回は2つの理由をお伝えします。そして、中高一貫校でない生徒はどう太刀打ちすればよいかもあわせてお話ししていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

◆合格者ランキング圧勝、授業進度が早い「中高一貫校」と勝負するには?
最初に押さえておいてほしいことは、中高一貫校は、授業のカリキュラムを前倒ししているということです。例えば数学は中2や中3で高校範囲に入り、高2終わり時点で高校範囲をすべて終了、高3の1年間は復習も兼ねながら、受験を意識した演習授業を行っています。

ただ、「授業の進度が早いことそのもの」が強さの理由ではありません。中高一貫校の生徒は、早い授業についていくために集中して授業を受けなければいけません。かつ、定着のために学校の勉強以外での復習が欠かせません。この積み重ねこそが結果に出ているのです。

ですから全範囲が共通テスト前の11月末に終わるスピードの授業であれば、今やっている範囲をいかに完璧にできるかに全力を注ぐことです。

すごいスピードで勉強をしていて、さらに一年かけて受験対策もしている人(中高一貫校)と戦わないといけない、それに対して今の自分の勉強はどうか、と常に振り返ることが大切です。「今やっている所は完璧にマスターできている」と返答できる人は、一貫校でなくても勝負できます。

数は少ないですが、ランキングに公立高校も入っていることからも、そのことがわかるでしょう。例えば、令和3年度国公立大学医学部医学科合格者数(既卒生を含む)は、熊本高校71名(防衛医大は除く)、札幌南高校55名(防衛医大を含む)、日比谷高校37名(防衛医大を含む)
となっています(どちらも高校公式ホームページより)。

自分の高校が進学校ではないなどで、本当に授業の進みが遅いようなら、予備校を利用して授業を先取りすることも考えてよいと思います。

中高一貫校の授業進度と差があることに悲観するのではなく、ライバルの状況を知ったうえで、どうすれば勝負できるかを自分の状況に合わせて考えましょう。たとえランキング1桁の高校でも、入学後に勉強に対する意欲を失えば共通テスト模試偏差値40ということもあり得ることを、予備校の現場で見てきました。

◆中高一貫校の「医学部志望者用コース」のような環境がない場合は?
もう一つの理由として、医学部志望者向けのコースやプログラムを組んでいる学校も多いことです。代表的な内容は、『卒業生の医師による講演会』『医学部の先生の講義』『病院実習』『大学の医学科見学』など。

学校によっては心臓手術の模擬体験を行う『ブラックジャックセミナー』、離島の診療所を訪問する『Drコトーキャンプ』など、ユニークなネーミングであったり、なんと中学から医学部志望者を集めたプログラムを設けている学校もあります。

(以下リンク先で)