北海道白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)が12日で開業1年を迎える。「大勢で歌う」を意味するウポポイ。差別せず権利を認め合い、みなが肩を組んで歌うような世界の実現に何が必要か。この節目に、アイヌの人々を取り巻く課題を探る。

 「ちょっと行くか」。子どもの頃、アイヌとして生きた祖父が唐突に言った。森林の獣道を一緒に歩いた。山頂にたどり着くと、眼下に自分たちが暮らす集落が広がっていた――。

 約45年前の出来事。平取町二風谷地区に生まれ育った木村英彦さん(57)は「あれ一度きりだった。おっかないじいさんが、山に連れて行ってくれた」と思いを巡らせた。

 明治以降、政府の同化政策でアイヌ固有の生活や文化を奪われた時代をよく知る祖父。祖母との夫婦げんかはアイヌ語だったが、孫を前にアイヌについて語ることはなかった。「今思えば、自分が小さい時に教わったことを伝えようとしていたのかもしれない」

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https://mainichi.jp/articles/20210710/k00/00m/040/101000c
2021年7月12日 7時00分