>>146 >>151

アイヌと縄文人のADMIXTUREパターンはほぼ同じ
分子人類学では「アイヌは縄文人の直系の子孫である」という見方がすでに定説になっている

Figure 7. (a) Admixture result. (b) Cross-validation error of admixture from k = 2 to k = 7.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ase/129/1/129_201217/_figures/129_201217_7.jpg

 図7aは、ADMIXTURE分析の結果である。

 k = 2 の場合、2つの祖先成分が青とオレンジで色分けされる。
 Ainu個体群のいくつかは、F23 Jomon個体群と同様、100%青色成分であった。最も低くても青色成分が50%以上あった。
 Okinawa個体群は、青色成分が約30%ほどであるのに対し、Yamato個体群は平均で約15%ほどである。
 Koreanは5%ほどあり、CHBとCHSはあったとしても青色成分の割合は非常に少ない。
 この結果は、従来の「二重構造モデル」とよく一致し、青色は土着 (Jomon) 成分、オレンジ色は渡来弥生人の成分である。

 k = 3 の場合、緑とオレンジ色の成分に分離し、青色成分の割合も僅かに変化した。
 斎藤成也が新たに提案した「3ウェーブ移動モデル」に当てはめると
 青・緑・オレンジ色は、それぞれ第一波(縄文人)・第二波(sea people)・第三波(稲作弥生人)に対応すると見られる。

 k = 4 の場合、赤色成分は、大陸集団にのみ現れ、CHS個体群でとくに優勢である (70-100%)。
 CHBでも優勢で、個体によっては赤色成分が50-100%となっている。
 k値を変えてCVエラーを比較すると (図7b) k = 4-7 は適合度が悪く、k = 2 か k = 3 がより現実的であると思われる。

Modern human DNA analyses with special reference to the inner dual-structure model of Yaponesian
doi: https://doi.org/10.1537/ase.201217
Timothy A. Jinam, Yosuke Kawai, Naruya Saitou