千葉の「名門病院」から1億円をダマし取った「病院食い」のヤバすぎる手口
7/18(日) 8:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ecb641e0fd8f9a0b804fa87c136199eeffb9ef8

 医療法人の元理事が、無断で1億円もの大金を外部に送金していた―。6月22日、千葉県野田市にある名門病院「小張総合病院」で異様な事件が発覚した。

 逮捕されたのは、同病院を経営する「圭春会」の元理事、逆井国男容疑者だ。'16年に、医療機器販売会社「メディカルマネジメントサービス」(現・ゲットウェイ、以下メ社)に不正送金していたことが、今回明らかになった。

 「逆井氏はもともとメ社の関係者でした。メ社と圭春会は、先代の理事長の時代からの付き合いで、逆井氏は圭春会に理事として入り、事務部長も務めていた」(同社関係者)

 メ社と圭春会の間のトラブルは、これが初めてではない。'15年、圭春会は逆井氏の古巣であるメ社を通して大手医療機器メーカーからCTスキャンを購入することになった。

 圭春会はメ社に2億円を支払ったが、肝心の代金がメ社からメーカーに支払われていないという。圭春会は、メ社に払った2億円の返還を求めている。

 病院内部に入り込み、不正を働く。こうした詐欺の手口は「病院食い」と呼ばれ、経営状況が悪化した病院が次々に狙われている。

 「信用力のある病院は特に狙われやすく、かつては新田グループという有名乗っ取り屋も存在しました。さらに大規模病院は優良不動産を持ち、診療報酬を担保に借り入れもできる。ひとたび乗っ取られたら、資産を次々に搦めとられてしまう」(元警視庁警視・櫻井裕一氏)

 圭春会の場合は'12年に国税局に所得隠しを指摘され、6億円の追徴課税を受けて経営状態が悪化していた。昨年、数億円規模の診療報酬の水増し請求も指摘されている。

 「現在も創業家三代目理事長のワンマン体制で、付け入られる隙があったのではないか」(前出・関係者)

 あなたのかかりつけ病院は大丈夫だろうか。

 『週刊現代』2021年7月10・17日合併号より