かつて近世の古民家のような茅葺きに復元された縄文時代の住居が、土をかぶせた屋根に変わってきた。発掘調査に基づいており、新たに復元整備される遺跡では土屋根が主流になるとみられる。31日まで開催中のユネスコ世界遺産委員会では、土屋根が複数箇所で見られる「北海道・北東北の縄文遺跡群」が登録される見通し。縄文集落の景観イメージは大きく変わりそうだ。

■まるで土饅頭

 裏側から見ると、まるで土饅頭だ。「北海道・北東北」を構成する17遺跡の一つ「入江貝塚」(北海道洞爺湖町)の復元住居は土で覆われ、従来の茅葺きとイメージを大きく違える。「風が入らず、保温性が高い」(同町教育委員会)という。

 茅葺きのイメージがあるのは、現在見られる復元住居の多くが茅葺きのためだ。縄文や弥生時代の家は、地面を掘りくぼめて複数の柱を立て、その上に屋根を掛けた半地下式の竪穴住居。床のくぼみや柱穴は全国で見つかっているが、失われた屋根は遺物などから推測して復元される。

 茅葺きは戦後間もなく、弥生時代の集落・水田跡「登呂遺跡」(静岡市)などで竪穴住居が復元された際に採用されたが、当時は屋根の素材が分かっていなかった。

 登呂遺跡では水田と集落が一体となって確認され、考古学ブームが発生。教科書にも載せられ、水田稲作のイメージとともに茅葺きも定着した。埋蔵文化財は地表に建物がなければ集客が難しい。各地の遺跡で茅葺きを参考に復元整備が行われた。

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https://www.sankei.com/article/20210718-M6ILDY3F35LSVNRV5QOVOK4T2U/
2021年7月18日 8時00分