東京五輪・パラリンピック大会組織委員会内で、前会長の森喜朗・元首相を再び役職に就ける案が浮上していることが23日、分かった。名誉最高顧問とする案が候補に挙がっている。森氏は女性蔑視(べっし)と受け取れる発言で辞任した経緯があるため、政府は難色を示している。

組織委や政府の関係者が明らかにした。大会開催への貢献を考慮したもので、組織委側は既に政府に伝えたという。名誉最高顧問は安倍前首相が務めている。

 森氏は会長だった今年2月、日本オリンピック委員会(JOC)の会議で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言して国内外から批判を浴び、引責辞任した。

 政府は、森氏が組織委に復帰すれば、日本は男女平等への関心が低い国だとの印象を世界に与えかねないと懸念している。組織委幹部は「首相官邸からだめだと言われた」と語った。

 組織委では、開幕直前に人権に絡むトラブルが相次いだ。19日には、開会式の楽曲制作担当者がいじめに関する過去の発言が問題視されて辞任。22日には開閉会式の演出担当者が過去の差別的なコントを理由に解任された。森氏の復帰案はこれらのトラブル以前に浮上したというが、政府内では「世論の批判が強まるのは確実だ」との声が出ている。

7/23(金) 22:00 読売新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/2671138f9cd648dc795c852551c2d1018687fa20