カラオケ、居酒屋…厳戒下も変わらぬ渋谷の景色


新型コロナウイルスの感染が収まらない中、東京オリンピックの競技が本格化した。

国際的な祭典の舞台となり、選手らが躍動する東京。
その街では一般の人たちが外出自粛を求められている。

若者が集い、さまざまな思いが交錯する渋谷を歩いた。

「緊急事態宣言発令中です」。
24日午前、スクランブル交差点の大型画面には不要不急の外出自粛を求めるテロップが流れていた。

都内の店は酒類の提供を終日控えるよう要請されている。
だが、昼過ぎに居酒屋をのぞくと生ビールをあおる客の姿があった。

うだるような暑さでも多くの人が渋谷駅前の広場にいた。
待ち合わせをしていた千葉県白井市の男子大学生(20)は「コロナによるドタバタや相次ぐ炎上で関心が薄れた」と五輪に冷ややかな目を向ける。

無観客決定でボランティアの機会がなくなったという東京都練馬区の女性公務員(67)は
「始まったからには選手をしっかり応援したい」と話した。

この日、都内の感染者は5日連続で1000人を超えたが、夕方になっても人出は減らない。
センター街のビルを警備する男性(62)は「居酒屋もやっているし、マスクをしない人もいる。危機意識が全くない」と眉をひそめる。

「街に立っていても五輪ムードは感じない」と同僚の男性(56)が付け加えた。

午後8時を過ぎ、大型ビジョンなどが消灯したあとも東京・渋谷のスクランブル交差点を行き交う多くの人たち
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