https://news.yahoo.co.jp/articles/959be229b9bf856f6059cdfe66bc256a802cea6b
 1月6日に起きた米連邦議会乱入事件を調査する下院特別委員会が27日、本格的に始動し、初めての公聴会を開いた。
現場で警備を担当した警察官4人が出席し「(暴徒らは)トランプ大統領(当時)に招かれたと叫んでいた」などと証言した。
与党・民主党は暴力を誘発したとしてトランプ氏の責任を追及していく構えだ。

証言したのは議会警察と首都警察の計4人の警察官。
集団で暴行を受け意識を失い、病院に救急搬送され一命を取り留めた首都警察のファノーン氏も出席。
トランプ氏や周辺が、暴徒らの行動を「平和的だった」と語っていることに関し、ファノーン氏は
「私が命をかけて守ろうとした人(議員)を含め多くの人がまるで何もなかったかのように振る舞っていることは耐えがたい」と強調。
机をたたきながら「(警察官に)示された冷淡さには我慢がならない」と述べ、怒りをあらわにした。

議会警察のデューン氏は、議会から立ち退くよう命じたところ、暴徒らは
「トランプ氏が我々を招いた。選挙結果が盗まれるのを防ぐためにやってきたのだ」などと叫んでいたと証言。
そのうえで「殺し屋が殺人を犯したら、殺し屋も殺し屋を雇った人物も刑罰を受ける。どうか、徹底的に追及してほしい」と述べ、
トランプ氏の責任を明確にするよう議員らに求めた。

特別委はペロシ下院議長(民主)が設置を決定。委員長には、国土安全保障委員長も兼務するトンプソン議員(民主)が就任した。
共和党は6人の委員の推薦名簿を提出したが、ペロシ氏が、このうち2議員について、「大統領選で大規模な不正があった」と主張している
トランプ氏を強く擁護してきたことなどを理由に受け入れを拒否。これを受け、共和党は推薦名簿の提出を撤回し、特別委に協力しない方針を明確にした。

しかし、共和党からも、事件に関する1月のトランプ氏の弾劾訴追決議で賛成票を投じたチェイニー、キンジンガーの2議員が委員に就任し、
形式上は「超党派」で発足した。同党のマッカーシー院内総務は、党方針に従わずに特別委に参加した2議員に制裁を加える考えをほのめかしている。

マッカーシー氏は27日の公聴会に先立ち、「ペロシ議長は彼女の望む質問をする委員しか選ばなかった。
破綻した委員会は、誰も信用しない破綻した報告書をまとめるだろう」と記者団に語った。