米国でマスク着用を巡って、混乱が広がっている。米疾病対策センター(CDC)は27日、
新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人も屋内でマスクを着用するよう勧告した。

接種者はマスク不要とするこれまでの方針を転換したことで、州や企業が対応を迫られる。
一部の州では反発も広がっている。


テキサス州やアリゾナ州、サウスカロライナ州など、主に共和党が知事職を握る南部州では、マスク着用を求めないと反発した。

これらの州ではもともと、マスク着用の義務付けが禁止または制限されている。
サウスカロライナ州教育省は州によりマスク着用の義務付けが禁じられていると指摘した上で、
「学校がCDCのマスク着用指針を導入することはない」と述べた。

一方、同様にマスク義務付けが禁止されているテキサス州では、
同州の教師連盟が禁止命令の撤回と学校におけるマスク着用の義務付けを認めるように求めた。

州内で対立も起きている。CDCの指針を受けて屋内でのマスク着用を求めたミズーリ州カンザスシティーに対して、
ミズーリ州司法長官は28日、撤回を求める訴訟を起こすと発表した。

同司法長官は「マスク義務付けは科学に基づくものではなく、政治的な決定だ」と批判した。
ワクチンを接種すればマスク不要とする従来指針には接種を促す効果もあったため、それを損なうとも主張している。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29EKJ0Z20C21A7000000/