★意外と難しい戦死数の比較★(続き)

こうした「定義」のそれぞれには、歴史的にもそれなりの理由も存在するのですが、数字誤魔化しの手段や、
知識がない人にはかえって混乱させるだけなので、統計なんかを作る場合はいろいろ調整されています。
また、これだけ「戦死」という定義は狭義になるので、「戦死」でなくとも「名誉の扱い」になることも
あります(例えばMIA)。

「戦死」と似た言葉に「戦傷(戦病)死」というものがあります。
これは、負傷後24時間以上たって死亡した場合などで、傷が元で合併症を併発したり、体力低下したところで
病気になったりといった場合や、怪我などがなく単に戦場での病死を含む場合もあります。

さらに、概念的にもっと広い、俗に日本で最も多く現在使われているのが、恐らく「戦場死」だと思われます。
これは、「戦場における全ての死」を包括する概念ですから、戦死はもちろん、戦傷死、戦病死、軍人以外の死、
戦場における事故死(もちろん誤射等も含む)、状況によってはMIAも含んだりもします。

この辺の数字の扱い方は多分に恣意的なものにならざるを得ないので、「戦死者数比較」とかは意外と難しいのです。

例えば、「戦死者」を少なく見せたい場合なんかでは、25時間目に死んだことにしちゃえば良い訳です。
これは、「交通事故死ゼロの町」なんかで噂がある方法で、助からないとわかっても25時間、生命維持装置を
動かしとけばいい、戦場なら口裏を合わせればいいだけの話です。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13112992353