札幌が暑すぎる…五輪の競歩やマラソンは大丈夫? 記録的猛暑で熱中症搬送多発の中、5日競技スタート

 北の大地・北海道が、記録的な暑さに見舞われている。最高気温は連日、30度を超え、熱中症搬送者は全国で2番目の多さ。気掛かりなのは、暑さを避けて舞台を札幌に移した東京五輪の競歩とマラソン。予報では競技を行う5日以降も真夏日になる見込み。心配なのは新型コロナだけではない。(中沢佳子)

◆札幌市の最高気温34.4度、14日連続で真夏日以上
 「暑さに加え、雨も降らないから、道端の草花が枯れている。人間も大変。うちはマンション上層だから窓を開ければ風が抜けるけれど、耐えられずにエアコンを取り付けた知人が何人もいる」。札幌市西区に住む女性(70)が苦笑する。
 無理もない。札幌管区気象台によると、3日には足寄あしょろ町が最高気温36・6度となるなど約10地点で猛暑日に。夕張市や帯広市などおよそ100地点でも30度を超える真夏日になった。五輪の競歩やマラソンの舞台となる札幌市も、最高気温は34.4度と、14日連続で真夏日以上を記録。同市は7月も19日と28日の2度、猛暑日になっていた。
 3日には札幌市を含む石狩・空知・後志地方に、気象庁と環境省が運用する「熱中症警戒アラート」が発令された。「夏の東京で五輪をするのもおかしいけれど、これじゃ何のために札幌でマラソンや競歩をするのかと思う」と女性。競歩やマラソンが行われる5〜8日、気象庁は最高気温33〜34度と厳しい暑さを予想している。
 号砲は早朝や夕方。競技中はもう少し涼しいだろう。湿度も東京のほうがやや高い。ただ、都心では今のところ猛暑日はなく、3日の最高気温はむしろ札幌より低い32・9度だった。
◆熱中症搬送は過去10年で最多
 札幌では熱中症も深刻だ。総務省消防庁によると、7月19〜25日に熱中症で救急搬送された全国の8122人のうち、北海道は東京の705人に次いで多い、546人。札幌市消防局救急課の担当者は「2日までの市内の搬送は269人。すでに過去10年間で最多の人数になっている。7月後半から気温や湿度が高くなったことが影響しているのでは」と語る。
 市保健所健康企画課も熱中症対策を解説したサイトを作成。アラート発令時はツイッターで周知している。「これほど真夏日が続く年はなかった。新型コロナ対策でマスクもしているので、熱中症になりやすい」(同課担当者)
◆札幌市「沿道応援は自粛、給水所充実、救護車2台、ゴールで医師待機」
 競歩、マラソン対策はどうなるのか。同市東京オリンピック・パラリンピック担当課の奥木貴史課長は「市民には沿道での観戦自粛を呼び掛けた。選手対応は大会組織委。給水所の充実、2台の救護車随行、ゴールでの医師の待機を徹底し、運営スタッフにも水や塩あめを配ると聞いた」と説明する。
 東京招致の際の立候補ファイルで、7〜8月の日本について「晴れる日が多く、かつ温暖。アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」などとアピールした。ところが現実の東京は酷暑で、「避暑地開催」のマラソン、競歩すら暑さから逃れられない状況だ。
 スポーツジャーナリストの谷口源太郎さんは「国際オリンピック委員会(IOC)が気候を調べ、理解した上で札幌開催を決断したのではなく、東京よりはましというだけ。選手が最高の状態で競技するために何が必要か、真剣に考えたとは思えない」と憤る。
 選手は命懸けで競技に臨むことになりかねない。谷口さんは「マラソンも競歩もコースは長い。万全な対策ができると言い切るのは傲慢だ。選手の命を軽んじている。取り返しのつかない事態になった時、『快適な気候』と大うそをついた日本側の責任も問われる」と危ぶむ。

東京新聞 2021年8月4日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/121638
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