米国人の40%超が「東京五輪にまったく興味なし」 NBCの視聴者数はガタ落ち

東京五輪の人気を見込んでIOCに巨額の放映権料を支払っている米NBCだが、
視聴者数がリオやロンドン大会に比べて激減。アメリカでは五輪への関心が低いこ
とに加え、アスリートの感動物語を押しつけようとする姿勢にも問題があると米紙
が報じている。

NBCはアメリカ人の東京五輪への関心を過大評価していたようだ。
視聴者数は激減し、世論調査でも人々が五輪に熱狂していないことが示されている。
加えて、女子体操のシモーン・バイルズが棄権してからは、選手たちのメンタル
ヘルスの問題が話題の中心になってしまった。

「不運が重なっている」。NBCユニバーサルのジェフ・シェルCEOは先週の投資
家らとのテレビ会議でこう漏らし、視聴率が予想以下に陥っていることを認めた。

過去33年間の開会式で最低を記録した。ちなみに2016年リオデジャネイロ五輪
の開会式は2650万人、2012年ロンドン五輪は4070万人が視聴している。

開会式だけではない。競技が始まってからも差は歴然としている。
リオ五輪に比べて43%の減少だ。
NBCのプライムタイムだけを比較しても50%近く落ちているという。

NBCの苦戦ぶりは、アメリカ人が概して五輪に興味がないことの表れでもある。
五輪に「かなり関心がある」と答えたのはわずか16%だった。
10%近くが、いま東京で五輪が開催されていることを知らなかった。

ジャーナリストたちはスタジアムの外で行われていた五輪反対デモの様子を
ライブでツイートしていた。
さらにアメリカ期待の星、体操のシモーン・バイルズがメンタルヘルスを理由に棄
権すると、NBCは勝利の歓喜と逆境の克服といった従来の感動物語からの方向転
換を迫られた。アスリートが自分の抱えている問題について率直に語ることや、
彼らが直面しているプレッシャーについてなど、
より重いテーマに軸足を移さざるを得なくなった。