中等症でも重症化のリスクの低い患者は原則、入院をせず自宅療養とする方針について、改めて撤回はしないと明言した政府。
7月中旬に夫が感染し、その後、自身と子供の感染も判明したという女性が、自宅療養の「難しさ」を訴えます。


夫の感染が判明したのは、7月中旬。40度近い高熱が出て、夫は倦怠(けんたい)感を訴えましたが、感染しやすい場所に行った覚えはありませんでした。

女性は、体調不良を訴える夫を車に乗せ、検査のために病院へ向かいました。車には3歳の長男と、生後半年の二男を同乗させざるを得ませんでした。

「近くに頼れる親族もおらず、子供だけを家に置いておけません。窓を開けて、空気を入れ替えることしかできず、家族全員が危険だと思いましたが、他に方法がないんです」


夫の感染判明後、女性と6か月の二男も感染。家族で陰性は長男だけに。女性と夫はともに30代。
緊急事態宣言下で、若い世代が救急車を利用していいのか、この症状で入院やホテル療養のお願いをしてよいのか、判断がつかず葛藤もあり、自宅療養を選択したと打ち明けます。

そして、夫の陽性判明から2日後、保健所の指示により検査を受けたところ、女性と生後間もない二男(6か月)の陽性が判明。家族の中では唯一、長男(6)だけが陰性と診断されました。

「夫に症状が出た時点で、私たちも感染しているのではないかと感じていました。幸いにも二男に症状はなく、私も少し熱が出ただけでした」


しかし、つらい状況は続きます。家族の中で唯一陰性だった長男と、陽性である女性と二男が、引き続き同じ家で暮らさざるを得ないという現実があったからです。

「遠くに住む親が、長男だけでも預かろうかと言ってくれましたが、万が一感染していたら親も危ない。結局、親子3人で自宅療養する道を選びました」

その後、夫の容体は快方に向かい、「一家全滅」の危機から何とか脱却したと話す女性。
自宅療養者が増えれば、同じようにつらい思いをしなければならない親や子供も増えるのではないか、女性は最後にこう訴えました。

「経験者として、自宅療養はやはり現実的ではないと思います。自宅療養が実際にはどういうものなのか、もっと多くの人に知ってほしい」


8/5(木) 17:13
https://news.yahoo.co.jp/articles/7fe038bd29601c3ed5a77d88b56b4f0a7a293769?page=1