新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は中小企業向けの補助金事業に巨額の予算を投入。企業の補助金申請をサポートして報酬を稼ぐ民間コンサルタントや中小企業診断士などは、この機を逃すまいと補助金獲得を競っている。空前のバブルに沸く「補助金ビジネス」の実態に迫った。

コンサル料50万円 その場でサイン

 「補助金は条件が合えば誰でも受給できます。返済も不要です」「コロナ対策で補助金の規模は過去最高。早く申請しないと、すぐに締め切られますよ」。東京・銀座の雑居ビルの一室で、都内のコンサルタント会社が開いた説明会。同社の社長が講師役として熱弁を振るっていた。

 受講者は10人弱。音楽関係の仕事の傍ら福祉施設の派遣社員として働いている男性は、フェイスブックの広告を見て参加を申し込んだ。補助金について一通り説明を受けた後、観光客向けの宿泊施設の開業を目指していることを伝えた。音楽の仕事に専念するため、新たな収入源を得たいと思いついたアイデアだ。
https://mainichi.jp/articles/20210805/k00/00m/020/141000c