7月の東京都議選中に「無免許運転」で「人身事故」を起こし、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」を除名された木下富美子都議(54)に対し、地方自治法上の懲罰である「除名」を求める動きが本格化してきた。地元・板橋区の住民らが週内に、都議会と区議会の議長に対し、「陳情書」を提出するという。

 提出するのは、板橋区民の有志らでつくる「日本の民主主義と公平な選挙を守る会」(以下、守る会)。

都議会は7月23日の臨時会で、木下氏への議員辞職勧告を決議した。守る会は同じ日、都議会が地方自治法135条に基づき、より強制力のある「除名」をすべきだとする要望書を、板橋区民ら計5609人分の署名とともに出している。

 木下氏の行為が、地方自治法上の懲罰に該当するかは検討の余地があるが、議員の3分の2以上が出席した本会議で、4分の3以上が賛成すると除名は成立・失職する。

 木下氏は、都民ファーストの会を除名後の7月6日、1人会派「SDGs東京」を立ち上げた。同月8日、自身のホームページ上で謝罪文を掲載したが、取材要請には応じていない。都議会による辞職勧告を受けても明確な対応をしておらず、4年間で8000万円近い報酬を得られる都議を続ける意向とみられる。


 守る会は、こうした現状を問題視し、まず都議会に、(1)木下氏を速やかに懲罰動議にかける(2)木下氏の事故に関し、都民ファーストの会と小池都知事を対象にした調査を、都議会が実施するように求める陳情を行う。

 板橋区議会にも、(1)都議選中に木下氏を応援した区議数人に同様の調査に入る(2)都議会が木下氏の「除名」に踏み切るよう、区議会として働きかけるよう求めるという。

2021/8/11 20:00 ザクザク
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