現場のマンション=4月28日午前、大阪府大東市
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大阪府大東市のマンション一室で4月、住人の大学4年、吉岡桃七(ももな)さん=当時(21)=が殺害された事件で、大阪府警捜査1課と四條畷署は12日、殺人や現住建造物等放火などの疑いで、真下の部屋の住人で直後に死亡したビルメンテナンス会社社員、嘉本(かもと)悟容疑者(48)を書類送検した。事件後、インターネット上では、吉岡さんが騒音を立てていたとする誹謗(ひぼう)中傷が相次いだ。だが、捜査の結果、騒音はなく、嘉本容疑者が被害妄想を膨らませ、犯行に及んだとみられている。

吉岡さんは自身のSNS(会員制交流サイト)に、自宅で開いた誕生日会の様子などを投稿。ネットの匿名掲示板などではこれらを引用し、連日のように騒いでいた吉岡さんが階下の嘉本容疑者に殺害されたとする書き込みが相次いだ。

吉岡さんの人格を否定するような文言もみられたが、マンション住人や吉岡さんの友人らへの聞き込みでは、騒音トラブルは一切確認されなかった。

一方、嘉本容疑者が親族に、「上階の人に見張られている」「玄関前で誰かに見張られている」などと話していたことが判明。約8年前に住んでいた別のマンションでも、「隣人に見張られている」などと入居初日に日記に書いていたことが分かり、嘉本容疑者が以前から被害妄想を抱いていた疑いが強まった。

理不尽な犯行によって学校の先生という夢を奪われた吉岡さん。同級生の女性は「桃七は明るくて悪口を言わない子。ネットでは騒音があったと書かれていたが、そんな常識がない子じゃない」と憤った。

嘉本容疑者の書類送検容疑は4月28日早朝、3階の吉岡さん宅に侵入。自作したやりのような刃物などで全身に120カ所以上の傷を負わせて失血死させ、2階の自室に戻って灯油をまいて放火したとしている。嘉本容疑者は火災による一酸化炭素中毒で死亡した。

産経新聞 8/12(木) 19:05配信
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