「田んぼの様子を見に行く」

これは田舎の人じゃないとわからんだろうな
好奇心で見に行くんじゃないんだよ

田んぼってのは自分の田んぼだけ独立して存在するわけじゃなくて、隣り合ってる他人の田んぼと用水路や畦を共有してるんだ
大雨だと、木の枝や葉っぱや色んなゴミが用水路に流入する
それらのゴミがどこかを詰まらせると、そこから越水して畦が崩れたりして、田んぼがダメになるどころか
他人の田んぼにも迷惑をかけることになる

ゴミが詰まってないか
畦が崩れかかってないか
そういう異常がないかを見回りに行くのが「田んぼの様子を見に行く」なんだ
ゴミが詰まってたら取り除くし、畦が崩れかかってたら
土嚢を積む
そういう作業も「田んぼの様子を見に行く」に含まれる
放置して、自分の田んぼから決壊して周囲の田んぼに迷惑をかけることは田舎では許されない

なので大雨の時にはその地域の数万人の農家が「田んぼの様子を見に」行ってる
そのうち何人かが、用水路に詰まったゴミを取り除こうとして流されて亡くなる
好奇心で見に行って亡くなってるわけではないんだ