読売新聞オンライン
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 市販の解熱鎮痛剤の販売が大幅に伸びている。新型コロナウイルスのワクチン接種に伴う頭痛、発熱の症状を和らげるために服用する人が増えているためとみられる。製薬会社は増産の準備をはじめ対応に追われている。

 調査会社のインテージが18日まとめた8月第1週の解熱鎮痛剤(市販薬)の販売額は、前年同期比66%増の18億8400万円だった。首都圏の4都県では、前年同期から8割以上増えた。高齢者向けのワクチン接種が本格化した5月頃から販売が伸び始めた。

 ワクチン接種後に解熱鎮痛剤を服用する動きを巡っては、妊婦や子どもらにも使える「アセトアミノフェン」を成分とした解熱鎮痛剤が良いとの情報がインターネットを中心に拡散。店頭で対象の市販薬が品薄となった。

 厚生労働省が6月に他の成分を含む市販薬も使用できるとの見解を示すと、販売がさらに急伸した。ワクチン接種率が上がり、薬の効果を実感する人が増えたことも拍車をかけたとみられる。インテージの木地利光氏は「副反応への対応だけでなく、感染拡大や医療体制の逼迫(ひっぱく)により、万が一のために自宅で備える人もいるのではないか」と分析している。

 第一三共ヘルスケアがワクチン接種後の服用に関する情報を6月下旬にホームページに掲載したところ、通常の約50倍に当たる1日約1万件の閲覧数が続いている。大正製薬は「増産の準備を進めており、中長期的に状況を見て対応する」(広報)としている。

 厚労省は、妊娠中や病気治療中の人、接種後に高熱が長く続いている人について、主治医、薬剤師に相談するよう求めている。副反応が出る前の服用は「推奨していない」とし、一部の製薬会社も同様の呼びかけをしている。