国土交通省九州地方整備局関門航路事務所(北九州市小倉北区)が発注した機器修理業務を巡り、特定の業者が受注できるよう便宜を図った見返りに数十万円相当の金品を受け取ったとして、福岡県警は22日にも、収賄の疑いで、同局の係長級の職員を逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。業者側からも贈賄の疑いで事情を聴いている。

捜査関係者によると、職員は同事務所で発注を担当していた当時、船舶関連機器の修理業務を業者が受注できるよう取り計らい、2020年頃に複数回にわたって計数十万円相当の金品を受け取った疑いが持たれている。修理業務は随意契約で発注されたという。

国や自治体は、事務の負担軽減や効率化のため、一定の条件下で競争入札を経ずに業者を選定する随意契約が認められている。

しかし、昨年6月、福岡県朝倉市発注の災害復旧工事の随意契約で市職員が予定価格を増額するなどした見返りに現金を受け取ったとして収賄容疑で逮捕されるなど、問題が相次いでいる。一部の随意契約の結果は公表されないなど透明性に欠け、不正の温床とも指摘されてきた。
(小川勝也、笠原和香子)

2021/8/22 14:55 更新
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