密輸ネコ154匹安楽死で物議 蔡総統、法改正検討の姿勢示す/台湾

(高雄、台北中央社)行政院(内閣)農業委員会動植物防疫検疫局高雄分局は21日、密輸されたネコ154匹の安楽死を終えたと明らかにした。
蔡英文(さいえいぶん)総統は21日夜、フェイスブックを更新。多くの人が今回の処分に不満を持っていることは分かっているとした上で、法改正を検討する姿勢を示した。

海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)偵防分署高雄査緝隊は19日、南部沿岸を航行していた漁船から大量のネコを発見。高級とされる品種のネコも多く含まれ、総額は約1000万台湾元(約3900万円)相当と推定される。
ネコは動植物防疫檢疫局に引き渡され、21 日、安楽死が執行された。

動物伝染病防治條例などの関連法では、検疫を受けていない動植物は廃棄処分とすると定められている。動植物防疫檢疫局は、密輸されたネコは国内に感染症を持ち込む恐れがあり、安楽死せざるを得ないとした。

動物愛護団体「台湾動物緊急救援小組」の広報責任者、倪京台さんは、今回密輸されたネコは出どころが分からず、確かに台湾の動物に影響を及ぼす恐れがあるとしつつ、ネコたちに罪はないとし、より人道的な方法で解決できるよう法改正を願う考えを示した。

愛猫家として知られる蔡総統はフェイスブックで、ネコたちを安楽死させる結果となってしまったことは「非常につらい」とコメント。密輸者の勝手さによって命が失われてしまったとし、密輸行為を強く非難した。

一方、密輸動物による感染症の流入を防ぐ必要があることに言及し、法にのっとって対処しなければならず、これが現行の法律だと説明。
多くの不満があることにも触れ、厳格な防疫を前提に、より人道的な方法が取れるよう法整備を図っていく考えを示した。
https://mjapan.cna.com.tw/news/asoc/202108220004.aspx