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先日イェール大学(エレン・フォックスマン博士)である研究成果が発表された。
インターフェロンをキーワードに読んでほしい。

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先にひいた風邪が免疫機能を「起動」してくれる

コロナの感染を防ぎやすくなるといっても、ライノウイルスが直接コロナウイルスを撃退してくれるわけではないのだという。
防御作用が生じるのは、風邪の感染時に身体の防御機構が「起動」し、臨戦状態になっているためだ。
免疫が高まるまでのタイムラグが生じなくなり、
コロナへの曝露時に遅延なく免疫効果を発揮できるようになる、と博士たちは考えている。

一般に、体内でウイルスが検知されると、免疫細胞がたんぱく質の一種であるインターフェロンを分泌する。
インターフェロンはほかの細胞上にある複数の受容体と結合し、
結果的に「インターフェロン誘導遺伝子」と呼ばれる遺伝子群を産生することで、ウイルスへの抵抗力を高める。

新型コロナウイルスへの感染時にも体内の細胞はインターフェロンの分泌を始めるが、
コロナウイルスは感染初期に爆発的なスピードで増殖する。そのため、
ウイルスの量に対抗できるだけの十分なインターフェロンの産生が間に合わず、感染が進んでしまう。
一方、コロナへの曝露時にすでにライノウイルスに感染していた場合、
すでに体内ではライノウイルスに抵抗すべく、
豊富なインターフェロンとインターフェロン誘導遺伝子が用意されている。
これが新たに侵入してきたコロナウイルスの複製にすばやく歯止めをかけ、増殖を抑え込むというしくみだ。

Newsweek 2021年6月29日(火)16時30分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96599.php