https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2108/25/news047.html
※ソース2ページ目に動画あり

 台湾大学とお茶の水女子大学の研究チームが開発した「JetController」は、圧縮空気を利用した“ジェット噴射”でVRコントローラーを持っているプレイヤーに
フォースフィードバックを与える装置だ。振動モーターやプロペラを使う従来方式と比べ、銃の発砲のような高い衝撃を瞬発的に生成できる。

振動モーターは、触覚フィードバックを提供するための方法として、古くからコントローラーに組み込まれてきたが、方向性が限られているため、表現の幅には限界がある。
今回は、複数の圧縮空気が噴射するエアノズルをVRコントローラーと組み合わせることで、振動やプロペラでは表現できない3自由度で衝撃波のような触覚フィードバックを再現する。

空気を噴射するエアノズルは、垂直方向に2つ、水平方向に3つで構成。
垂直方向は上向きと下向き。水平方向は、プレイヤーに噴射した空気が当たらないように、120度の間隔で3方向に設定。
VRコントローラーを除いたデバイスの重量は158g、体積は997立方cmで、プロペラと比較して77%の軽量化と89%のコンパクト化を実現しているという。
しかし、圧縮空気を供給するエアコンプレッサーは大きく重たいため、バックパックに収納し背負ってプレイするスタイルになる。重量は4.8kg。

その分、圧縮空気が噴射するパワーは大きい。
装置は高速空圧ソレノイドバルブを使用し、4.0〜1.0Nで20〜50Hzの周波数に対応し、プロペラの10倍以上の速度を実現しているという。

実験では前から来るブロックを光る剣で切るリズムゲーム「Beat Saber」と、銃などで敵を倒す一人称視点のシューティングゲーム「Half-Life」を試した。
市販の振動コントローラーと比較して、臨場感、楽しさ、総合的な体験が大幅に向上し、被験者24人のうち88%の参加者が支持したとしている。

今回は片手で使用するVRコントローラーに焦点を当てたが、PCゲームやコンシューマーゲームで使用する従来の両手持ちコントローラーにも適応できる。
研究チームではノズル5つの3自由度に加えて、回転力(トルク)をサポートするデザインを検討しており、6自由度の力覚フィードバックを実現したいという。