https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20210831-00255637

「コロナ運ぶな」
トラックドライバーたちはよく「国の血液」と比喩される。

しかし、そんな彼らに対しては、感染拡大当初から世間による偏見や仕事中における理不尽が続く。

国内での感染が本格化した昨年4月、全国各地にあるガソリンスタンドのシャワールームが感染拡大防止を理由に一時閉鎖。

長距離トラックドライバー向けにガソリンスタンドが厚意で無料開放してくれている施設ではあるものの、閉鎖中の1週間、彼らは公園で髪を洗ったり、コンビニに常備されている即席めん用のポットの熱湯をタオルにしみこませて体を拭いたり、ガソリンスタンドの洗車機の水で体を洗ったりするなど、困難を強いられた。

県外ナンバーのトラックや宅配においては、届け先の人から「コロナ運ぶな」という声が浴びせられたドライバーや、無言で除菌スプレーを吹きかけられた配達員も。

トラックドライバー本人だけでなく、その子どもが入学式の出席を拒否されたり、パートナーが出社拒否に遭うなどのケースも各地から複数届いた。

こうした状況に対し、国土交通大臣が促したのが「コンビニ飯」だったのには、現場を走る多くの‟エッセンシャルワーカー”たちが落胆した。

予約が取れない背景
そんな彼らから最近聞こえてくるのは、「ワクチン接種」に対する嘆きだ。

参考程度ではあるが、先日、トラックドライバーたちに新型コロナワクチンの接種状況を聞いたところ、8月末時点で「打ちたいのにまだ一度も打てていない」とした人は約35%に及んだ(回答者271名)。

各組合や商工会などに加盟している運送企業の従業員や、自社が小規模でも、職域接種を行っている大手の荷主を出入りしているドライバーなどの場合、早期に職域接種を受けることができたという人もいる。

が、運送業界のほとんどは中小零細企業で、どの団体・組織にも加盟していない会社も非常に多い。

こうした中小零細企業に所属するトラックドライバーは、個人で自治体接種などを予約せねばならなず、今回のアンケートでは、接種希望者のうち約78%のドライバーが「自治体接種」をした、またはする予定だと回答した(回答者196名)。

現在、その自治体接種は全国的に予約が取りにくい状況にあったり、予約の受付を開始していないところもあるのだが、接種を希望するトラックドライバーが接種に至らないのには、それ以外にもいくつか弊害がある。

1つは、彼らの「労働環境」だ。

トラックドライバーは融通の利かないスケジュールのうえ、人手不足で代わりがなかなか見つからない。さらに、「日給月給制」ということもあり、接種を理由に休めばダイレクトに給料に響く。

「ウチは中小企業なので自治体接種任せ。有給制度自体ないので元請けとの調整含め大変」(40代食品・雑貨4トン)

「うちの会社には商工会や納品先の職域接種の案内も来ます。ただ、予約に空きがあるのが平日なので申し込めません」(50代男性大型中距離)

「ワクチン接種したくても会社が休ませてくれない、仕事に穴を開けられない、そもそも予約が取れない、の三重苦です」(40代大型地場食品輸送)

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