米疾病対策センター(CDC)は30日、新型コロナウイルスワクチンの重症化予防効果について、
先月までのデータでは目立った低下がみられないとの分析結果を発表した。

ワクチン追加接種の必要性を議論する諮問委員会で、CDCのサラ・オリバー博士が報告した。

オリバー博士は世界各国のデータに基づき、デルタ変異株の登場後、ワクチンが感染を防ぐ効果は39〜84%となったが、
入院を防ぐ効果は75〜95%を維持していると指摘。

ワクチンの種類にかかわらず、入院や重症化に対する有効性は依然として高いと強調した。

感染自体や軽症例への予防効果が下がってきた要因としては、接種から時間がたっていることと、
デルタ株が広がっていることを挙げた。

米国の研究では、65歳以上の入院を防ぐ効果は時間の経過とともに低下した可能性があるものの、
ごくわずかな差にとどまるとも報告されている。

オリバー博士が示した有効性の暫定データによると、75歳以上の入院を防ぐ効果は7月に低下したが、依然として80%を超えていた。

一方、昨年12月から今年1月にかけて米国内で最初に接種を受けた介護施設入居者への効果は、75%から約50%まで下がったという。

諮問委員会は今後8月のデータも検討するため、数週間以内に改めて会合を開く方針だ。
オリバー博士は追加接種について「主な問題は安全かどうか、予防効果が向上するかどうかだ」と述べた。

イスラエルは他国に先駆けて30日から、接種後5カ月以上経過した12歳以上の全国民を対象に追加接種を開始した。

同国の研究者らはこの日、すでに追加接種を自主的に受けた人は感染リスクが大幅に下がったとする研究結果を発表した。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35175975.html