全国市長会長で医師でもある立谷秀清相馬市長(70)は、新型コロナウイルスのワクチン接種について
「2回接種をできるだけ早く行うとともに3回目接種についても、しっかり準備していくことが大事だ」と述べ、
3回目接種の実施に向けた検討を国は早急に始めるべきだとの考えを示した。

福島民友新聞社の取材に語った。

相馬市や福島医大は月内にもワクチン接種を受けた市民を対象に、ワクチンで得られた抗体の量が時間の経過に伴い
どの程度減少していくかを調べる抽出調査に着手する。

立谷氏は「抗体の自然減衰の推移を見てから3回目を実施するのでは遅い」と述べ、
抽出調査では3回目接種によって減少した抗体がどの程度回復するかを調べることも視野に入れていることを明かした。

米国は2回目接種から8カ月たった人に3回目接種を始める方針を発表している。

立谷氏は国内で最も早い時期に2回接種を終えた医療従事者への3回目接種について考える必要があると強調。
「ワクチンの費用を全額国費で賄うのかなど、厚生労働省ははっきり決めるべきだ」と国の早急な対応を求めている。

現在進められている2回接種については「高齢者の接種が進んだことで、高齢者の感染が極端に減っている」として効果が高いと評価した上で
「今後、40〜50代向け接種のスピードをどう上げるかが問題になる。20〜30代の接種に対する意識の問題も大きくなってくる」と指摘。

特に若い世代で副反応への懸念が大きいことを踏まえ「発熱はかなりの高確率で起こるが、相馬市でのワクチン接種後調査によると、
アナフィラキシーショックの類いは極めて少ない。こうした状況についての情報公開をしっかりやることが重要。
その上で接種について判断してもらうべきだ」と提言した。
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