発見が難しい膵臓(すいぞう)がんに光明です。「午後の紅茶ミルクティー」が早期発見の突破口になるかもしれません。

 ある飲み物が、がんの早期発見に役立つと今、脚光を浴びています。それは“午後ティー”の愛称で親しまれている「午後の紅茶ミルクティー」。
膵臓がんが見つかった患者のうち、約7割が早期発見に至ったというのです。

 元大阪国際がんセンター副院長・片山和宏さん:「『午後の紅茶(ミルクティー)』の配分が、この検査に適している可能性はあります。
胃の中にミルクティーを入れるとほぼ90%見られるようになります」

膵臓を撮影した画像。左側は通常の超音波検査、右側が“午後ティーミルク”を飲んだ後の画像です。両方を比較してみると、確かに午後ティーミルクを飲んだ右側の膵臓の方がはっきりと写っていることが分かります。

 膵臓は体の奥の胃の後ろ側にあり、約半分しか見えないため、がんの発見が非常に難しく「暗黒の臓器」とも呼ばれています。

 水分が超音波を通すことに着目した片山医師は…。

 元大阪国際がんセンター副院長・片山和宏さん:「超音波の検査の時に水分としてはミルクティーが非常に良かったと。
非常に膵臓がよく見えるので『膵臓がん』早期発見にすごく有力です」

 胃の中に何を入れれば膵臓がよく見えるのか。約10年にわたって膵臓の超音波検査の研究を行ってきた片山医師によりますと、
飲み物の中で最適だったのが午後の紅茶ミルクティーだったというのです。

 なぜレモンティーではなくミルクティーなのでしょうか…。

 片山医師によりますと、レモンティーだと胃酸と反応して見えにくいというのです。また、炭酸飲料では細かな泡が邪魔をするというのです。
ミルクティーは適度な濁り具合が程よく、超音波を通すのだといいます。

 元大阪国際がんセンター副院長・片山和宏さん:「ちょっとした工夫で非常に大きな成果を出せるというのは、
やりがいがあるというか医者冥利(みょうり)といいますか、そういうのに尽きる」

 片山医師によりますと、検査に使うミルクティーは患者本人に買ってきてもらって、ほとんどの人が喜んで検査を受けているといいます。

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https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000228136.html