来年の春に卒業する高校生のうち就職を希望する生徒は、ことし7月末の時点で14万4000人余りと去年の同じ時期よりおよそ10%減少したことが分かりました。厚生労働省は「感染拡大の影響が続く中、就職できるのか不安を感じ進学を選んだ生徒が増えたとみられる」と分析しています。

来年の春に卒業する高校生の採用試験は、今月16日から全国一斉に始まります。

厚生労働省が全国のハローワークを通じて調べた結果、就職を希望する生徒は、ことし7月末の時点で14万4935人と、去年の同じ時期より10.3%減りました。

就職を希望する高校生が減少したのは7年連続で、前年からの減少幅は1993年に次いで2番目に大きくなっています。

また企業からの求人は34万5563人と、去年の同じ時期より2.9%増加したものの、おととしより22.1%減少しています。

業種別でみると、
▽全体のおよそ3割を占める「製造業」は12%増加した一方で、
▽感染拡大の影響を大きく受けている「宿泊業・飲食サービス業」は7.3%減少しています。

また生徒1人当たりの求人数を示す求人倍率は、全国平均で2.38倍と、去年の同じ時期を0.30ポイント上回りました。

都道府県別でみると、最も高かったのは、
▽東京の6.13倍で、
次いで、
▽大阪の3.95倍
▽福井の3.11倍
などとなっています。

最も低いのは、
▽沖縄の1.08倍で、
次いで、
▽青森と熊本の1.46倍
▽長崎の1.50倍
などとなっています。

厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響が続く中、就職できるか不安を感じ進学を選んだ生徒が増えたとみられる。求人倍率が上昇したのは、就職を希望する生徒が大幅に減少したことなどが主な要因で、求人数は感染拡大前の水準には戻っていない。全国のハローワークなどで求人を確保する取り組みを続けるとともに、学校と連携して、就職を希望する生徒の支援に力を入れたい」と話しています。

NHK 2021年9月9日 14時13分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210909/k10013251171000.html