想像と違っていた小泉進次郎・環境大臣
対談で政府を身近に感じる
2021.09.08
小澤杏子(前ユーグレナCFO)

 今回は、昨年7月22日にユーグレナでの活動を通して環境省に行き、
小泉進次郎・環境大臣とお話しさせていただく機会をいただいた時のことをお話しできればと思います(前回の記事から読む)。

 ユーグレナの初代CFO(Chief Future Officer、最高未来責任者)とFutureサミットメンバーに選ばれた私たちは、
就任した当時、まさか自分たちが環境省の大臣室におうかがいし、大臣の隣でお話をさせていただけるなんて思ってもいませんでした。
そのころの私たちにとって(今でもそうですが)、政府機関は雲の上の存在で、自分たちの声が届くと思っていなかったからです。
このような考え方をなくしていかなければならないと思いつつ、自分たちもいまだ制御できていません。理想を語ることと、現実と向き合うことを両立するのは難しいです。

 環境大臣の貴重な数十分をいただき、私たちがそれまでの活動で会社に対して行ってきたこと、今後社会に対して提言したいことを熱を込めてお話しさせていただきました。
政府機関と自分たちの間の溝が深過ぎることを実感していたゆえ、「若者が今まで以上に環境省と関われる機会を増やしてほしい」「私たちの声にもっと耳を傾けてほしい」とお伝えしました。

 小泉大臣は終始暖かい目で私たちの拙いプレゼンテーションを見届けてくださり、共感していただけました。
さらに、予想もしていなかったのですが、次回の打ち合わせの日程までその場で組んでくださったのです。
「若者の声をもっと聞きたいし、聞く必要がある」と言っていただけた時、ほんの少しかもしれませんが自分たちと政府との距離が近くなったように感じました。

■自分の脳を操るのは難しい
 今まで私にとって小泉大臣はテレビ画面の向こう側にいる著名人でした。
正直なところ、「政治家だから少し怖そう」「綺麗な言葉を並べるだけかもしれない」などといった根拠のない、
そして非常に浅はかな思いが頭のどこかをよぎっていました。けれど、実際にお会いさせていただくと、優しさと情熱で溢れていて、未熟な私たちの話を熱心に聞いてくださる懐の深い方なんだというのが分かりました。

 考えてみれば、メディアに出る方々の言動は、その人の日常のほんの一部でしかないのです。
小泉大臣をよくテレビで見ていたこともあり、私は無意識のうちにこういう方なんだろうなと勝手に想像していました。
幼少期から “do not judge a book by its cover” (物事を外見で判断してはいけない、という意味で使われることわざ)と耳が痛くなるほど聞いていたのに、いまだにできていない。

 私自身、少しだけではありますがメディアに出させていただいているので、「自分がされて嫌なことは他人にもしてはならない」ということを念頭に動き続けようと心がけています。
自分の脳を完璧にコントロールするのは不可能だと分かりつつ、常に軌道修正することを怠ってはならないと今改めて感じています。
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00013/082700011/

小澤さん(後列左から2人目)たちは、思いがけず小泉大臣(一番右)と2回目の面会の約束も取り付けた
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小澤杏子
前ユーグレナCFO
2002年生まれ。東京学芸大学附属国際中等教育学校在学中の19年10月にユーグレナの初代CFO(最高未来責任者)に就任。
バスケットボール部で活動し、ジュニア農芸化学会での銀賞などを受賞。体育祭実行委員会委員長も務めた。21年4月に早稲田大学社会科学部入学。帰国子女。
日本原子力学会誌ATOMOΣで時論、コラムを寄稿。インターネットテレビ局「ABEMA TV」のニュース番組「ABEMA Prime(略称アベプラ)」などに出演
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/author/00024/