【神奈川支局】 被差別戒名物故者追善法要が6月16日、横浜市・曹洞宗大本山總持寺でおこなわれた。導師をはじめ50人をこえる僧侶が読経し、差別撤廃への思いを新たにした。県連は根本信一・委員長、三川哲伸・副委員長と県連関係者4人が参列し、焼香した。

 法要後、神奈川部落史研究会の久保田宏さんが「神奈川の部落史〜中・近世の被差別民はどう生きたか」をテーマに講演。中・近世の被差別民の歴史や役割を語るとともに、「明治」期に被差別民の貧困が急速に拡大した背景を説明した。

 久保田さんは、「明治」期に「穢多」などの呼称は廃止され、身分も職業も「平民」同様とされたが、同時に被差別民のもっていた特権や専売も否定されることになったと語り「自由競争で仕事を失い、貧困化がすすみ、質を変えた差別に直面することになった」と指摘。また、横浜市の「人権に関する意識調査」結果を紹介し「部落差別は解消したとはいえない。なぜ現在まで差別され続けたか。答えは歴史のなかにある。歴史は変えられないが、未来は変えられる」とのべ、日日の部落差別解消のとりくみの大切さを訴えた。

2021.09.05
http://www.bll.gr.jp/info/news2021/news20210905-4.html