新型コロナウイルスワクチンについて、インド由来の変異ウイルス「デルタ株」の流行下でも、2回接種すれば発症予防効果が91%に上るとする分析結果を、国立感染症研究所がまとめた。

 調査は、デルタ株への置き換わりが進んだ6〜7月に実施。発熱などの症状があり、東京都内の医療機関を受診した1130人を対象とした。PCR検査で陽性だった人は416人、陰性だった人は714人だった。それぞれ、ファイザー製かモデルナ製を接種したかどうかを尋ねた。

 その結果、どちらかを1回接種した人は48%、2回接種では91%に新型コロナの発症予防効果があると推定された。2回接種後に2週間以上経過した場合は95%だった。海外のデータにも沿う結果という。

 ただ、感染研によると、接種後も感染するリスクはある。デルタ株に感染した人のウイルス量は、接種の有無にかかわらず同程度との報告が米国などで出ている。感染研は、「現状の流行状況では、接種後もマスク着用などの感染対策を継続することが重要」と指摘している。

 一方、日本国内でも感染が確認されている南米・ペルー由来の「ラムダ株」については、世界的な拡大傾向がみられていないなどとし、現時点で感染が広がるリスクは「非常に低い」と評価している。

https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210904-OYT1T50118/