◆ 民主党政権時代の成長理由は最悪なものである

いきなり最悪な成長である理由を述べると、「超円高によって内需が伸びたから」 に他ならない。
民主党政権下の三年間、約20円もの大幅な円高が進んだ。


だが、これには強烈な毒があった。それは 「輸出産業の苦境」 である。
半導体にテレビ、電機といった産業は軒並み苦戦し、シェアを失ったことで倒産した企業が続出した。
また、工場も海外へと移転し、日本の雇用需要は大幅に減少した。
需要が減れば、賃金や待遇も悪くなる。
逆に、韓国はこういった産業のシェア拡大を軸に、成長していった。
(これが 「民主党が売国」 と言われる主因の一つでもある。企業支援をあまりにもしなかったために、故意ではないかとされる)

日本の場合、ほぼ完ぺきに輸入に頼る分野が多い。
エネルギーなどの資源、小麦などの農作物といった物の価格が円高によって下落し、国内の競合もほぼなかったので倒産も少なかった。
その部分での倹約ができたために、他のサービスへの金銭が回り、GDPの多くを占める内需が拡大した。
それがために、一見、数字は良くなったのである。

だが、それは童話のキリギリスと同様に、大きな代償を伴うものであった。
「超円高」という戦略的な大破綻の影響は、今現在の日本にも今後どのような分野で食べていくのか、という暗く大きな影を落としている。
半導体、テレビ、電機を失ったのは、あまりに手ひどい痛手過ぎる。