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犯罪的“人体実験”の数々

 同様の“テスト”はニューヨークの地下鉄網の中でも行われたという。

 1966年6月6日から6日間にわたって、ニューヨークの地下鉄の7番街線と8番街線において細菌が撒かれ、それがどのように広がっていくのかが詳しく追跡されたことが後に発見された研究論文で明らかになっている。

 使われた細菌はやはりセラチア菌と枯草菌で、各所に設置された箱型の散布器によって撒かれたり、細菌が仕込まれた構内の電球をあるタイミングで割ったりするなどして、地下鉄構内でどのように細菌が広がっていくのかが“テスト”されたのだ。


 細菌の散布はラッシュアワーのピーク時間にも行われ、多くの通勤客が細菌を吸い込むことになった。この実験の模様は「ニューヨーク市の地下鉄乗客の生物兵器による秘密攻撃に対する脆弱性の研究」というタイトルの米陸軍レポートに文書化されている。もちろん文書が明るみになるまで、ニューヨークの地下鉄利用者たちはこの実験を一切知ることはなかった。