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 数カ月後、花森容疑者から「学年は上だ」と説明された。男性は敬語に直すべきか確認したが、花森容疑者からは「別に直さなくていいよ」と言われていた。

この年の秋以降、花森容疑者は別のサークルに入ったため関係は疎遠となった。男性は花森容疑者について「サークル仲間。それ以上の深い関係ではなかった」と振り返る。その後も、大学で花森容疑者の姿を見かけることはなく、「米国の大学でワニの研究をしている」といううわさを聞いた程度だった。花森容疑者が静岡県の大学に入り直したことは知らなかった。

 「来週沖縄に行くから泊めてほしい」。大学4年生だった20年9月、花森容疑者から突然、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で連絡があった。男性が「いいよ」と返信すると、花森容疑者はそのラインで「敬語を使え」「先輩後輩の節度を乱さないようにしてください」などと求めてきた。

 男性は当時取り組んでいた卒業論文執筆の忙しさに加え、新型コロナウイルス禍での外出自粛のストレスもあり「同期の友人と思って接したが、そのような関係を強要するなら泊めることはできません」と断りのメッセージを送り、ラインをブロックした。