さらに続き

 約2週間後、自宅に茶封筒が届いた。住所以外はアルファベットで書かれ、差出人としてサークル時代に知り合った留学生とみられる名前が記されていた。中に折りたたまれて入っていたA4サイズ1枚の紙には「絶縁します」「お前みたいな低脳には分からないだろうが俺は先輩だ」「あなたにまじないをかけた。君が反省すれば解くヒントが見つかる」とつづられていた。

 花森容疑者から送られてきたと感じ、気味が悪くなってすぐに捨てたという。男性は今、ラインでのやり取りが事件の引き金になったのではないかと考えている。

六本木で「鉢合わせ」

 事件の1カ月前、男性が「運命の巡り合わせが悪かったとしか言いようがない」という出来事があった。

 21年7月下旬の深夜。仕事を終えた後、気分を変えて普段と違うルートで帰ろうと考えた男性は、最寄り駅ではない東京メトロ南北線六本木一丁目駅(東京都港区)で下車した。改札を出ようとすると、後ろから「おーい」と声をかけられた。振り向くと、駅構内に花森容疑者の姿があった。

 4月ごろ、大学時代の知人に男性の居場所を聞き回っていると聞いており、身の危険を感じた。しかし、改札を出てもついてきたため、仕方なく話しながら歩いた。「親しい人にも職場や自宅の詳しい住所を伝えていないのに」。なぜ、通勤経路の駅に姿を現したのか、今も理由は分からない。