<既定路線とはいえ、まさか本当になるとは……>

 ネット上には驚きと呆れの声が相次いでいる。自民党の岸田文雄新総裁(64)が、幹事長に甘利明党税調会長(72)を起用する方針で、最終調整に入ったと報じられているからだ。


 甘利氏は今回の総裁選で、いち早く岸田氏の支持を表明。党所属の国会議員らが「勝ち馬探し」に右往左往する中、派閥幹部に岸田氏指示を訴えたとされる。

 まさに「論功行賞人事」そのものだが、それよりも有権者が驚いているのは政権与党の「幹事長」という要石に「疑惑の人物」を選んだことだろう。

 甘利氏の疑惑とは、安倍政権で経済再生担当相だった2016年1月、「都市再生機構(UR)」の土地売却をめぐり、大臣室で、業者からURとの補償交渉についての相談を受けて対応した際、現金を受領していたと報じられた問題だ。

 当初は知らん顔をしていた甘利氏だったが、現金を渡した人物が「週刊文春」で生々しいやり取りを告発。直後に会見を開いた甘利氏は、大臣室での50万円を含む計100万円の現金受領と、秘書が500万円を受領したことを認めた上で大臣を辞任した。

 甘利氏は国会に「睡眠障害で1カ月間の自宅療養が必要」との診断書を提出し、通常国会閉会まで4カ月にわたって欠席するのだが、この「昼間の大臣室で賄賂に近いカネを受け取る」という時代劇さながらのやり取りに対して世論批判が続出。

元検事の郷原信郎弁護士は「絵に描いたようなあっせん利得(処罰法違反)」と表現したが、刑事告発を受けた東京地検特捜部は、甘利氏と元秘書2人を不起訴処分(嫌疑不十分)としてしまった。

 そんな人物が、国民の税金が原資である政党交付金も含まれる巨額のカネを操ることになるのだから、有権者が呆れるのも無理はない。ネット上では、甘利氏が故・手塚治虫氏の漫画「どろろ」に出てくる妖怪「金小僧にそっくり」との声も出ているが、まさか幹事長室で「やろうかあ、やろうかあ」とはなるまいな

日刊ゲンダイ 9/30(木) 14:50
https://news.yahoo.co.jp/articles/afda91b24bb5137fdb2c9cb9ce66cfdc2b7e629e

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